銀行融資よりもはるかに審査が柔軟と言われるファクタリングですが、それでも審査がNGになってしまうことがどうしてもあります。
それはなぜでしょうか?ここではファクタリングという新しい資金調達の方法において、審査NGになってしまう理由をご紹介していきます。
ファクタリングは売掛債権をファクタリング会社に買い取ってもらい、その買取代金を本来の入金サイクルよりもはるかに早く入金してもらうという資金調達の方法です。
この方法を使うことにより、現時点で持っている売掛債権を素早く現金化する事ができます。
つまり、これにより2ヶ月先、あるいは3ヶ月先の代金の入金を待たずとも、今すぐに現金を手に入れることができるというわけです。
しかしこのファクタリングは信用取引です。
銀行融資や、社長さん個人が契約するようなカードローンなどは、個人信用情報などの情報をもとに細かいことを言わずとも審査に通ればお金を貸してもらうことができますが、ファクタリングはそうはいきません。
反対にファクタリングはそういった情報を重要視しない代わりに、きちんと取引が成立していることや確かに入金される債権であることを申込者側が誠心誠意証明しなければなりません。
その証明になるのがいわゆるエビデンスです。
実際にファクタリングに申し込みをすると売掛債権の額面が記載された請求書の写しや、そもそもの売買契約・役務提供に関する契約書の提示も必要になりますし、場合によっては会社の過去2年間の入出金履歴が記録された通帳の写しなどを提出しなければならないケースもあります。
多くの場合は、請求書の写しに加えて
・実際に役務を提供している証拠(内装屋であれば当該の内装現場の写真、Web制作会社であれば実際にアップロードするサーバー情報や工数管理表など)
・過去にその取引先から継続的に入金された実績を証明する通帳などの証拠
・ファクタリングを申し込んでいる会社そのものがきちんと事業を回しているという証拠
などがあると十分に取引の存在性を証明することができ、審査OKになる可能性が出てきます。
反対に、これらの提出を拒否してしまったり、申し込みをしている会社の代表者がどこか挙動不審だったりするとファクタリング会社側としてもリスクがあると判断せざるを得ないため、買い取りたくても買い取れないという状況が発生します。
また場合によっては悪質なケースで、ファクタリングを申し込む会社側が過去にあった実際の取引をベースに架空の取引をでっち上げてファクタリングを申し込むケースもあります。
中には、実際に押印された判子を不正な方法によって違う紙に写し取り、さも実際に最近締結されている取引かのように偽装するという書類偽装などのパターンも見られます。
人間、お金に困窮すると善悪の判断もつかなくなってしまうもので、これらの書類偽装に加えて
・取引先の電話番号として記載している電話番号の回線を自分の会社で引いておき、万が一ファクタリング会社側から確認の電話が入ったとしても売掛先のふりをして対応できるようにしておく
などの行為に走ってしまうことがあります。
これらは言うまでもなく詐欺罪及び、有印私文書偽造・行使で十分に逮捕され得る行為となります。絶対にやってはいけません。
大変意外な落とし穴ですが、ファクタリングはあくまでも売掛先が法人である場合に限り成立するものと思っておいて間違いありません。
例えば、
個人事業主の社長さんから業務を請け負っていて個人相手に請求書を発行している場合などは、ファクタリングの審査に通過できない可能性が大きくなります。回収リスクなどを判断する際に債務者が個人事業主の場合は特にファクタリング会社が嫌う傾向にあり、これにより審査に通過できない可能性があります。
今回のまとめ
銀行融資より柔軟なはずなのになぜ?ファクタリングの審査がNGになる理由を解説
しかし、その代わりにきちんと売掛金が存在するものであることを証明しなければなりません。