今までの手形割引とファクタリングの違いについて

目次

  1. 何かとトラブルの多かった手形割引という資金調達方法
  2. 債権そのものを譲渡するからトラブル自体がゼロ!ファクタリングの魅力
  3. まとめ


銀行融資以外の資金調達方法を検討した際に、日本の企業では手形割引がよく使われます。特に建設関係の業界では手形取引はよくある取引の方法です。

そして最近新しく注目されつつある資金調達の方法であるファクタリングですが、手形との違いがよくわからないという声が聞かれます。

そこで、ここでは新たな資金調達の方法であるファクタリングと従来の手形の違いについて解説していきます。


何かとトラブルの多かった手形割引という資金調達方法

日本国内で流通する手形には約束手形と為替手形の2種類が存在しますが、実務上ほとんどのビジネスシーンで約束手形が使われますので、ここでは約束手形を中心に解説を進めていきます。

約束手形というのは、いわゆる2ヶ月から3ヶ月後にきちんと資金を決済するので、先に建設工事現場で使う資材など様々な商品を提供してほしいといった使われ方をする手形です。

信用取引の一種なので、イメージ的には2ヶ月から3ヶ月後に一括支払い限定で使えるクレジットカードのようなもの、と思っておいて良いでしょう。

そして、この約束手形を支払期日よりも前にどこかに売却して、手数料を引いた分の現金を早めに渡してもらうという手形割引という取引も存在します。特に平成の初期にはこの手形割引が大流行し、新時代の資金調達方法とすら言われたほどでした。

しかしこの約束手形、約束というだけあって約束が守られないケースが往々にして存在します。いわゆる手形の発行元が倒産したり、債務不履行状態に陥るデフォルトリスクというものがついてまわるわけです。

ちなみに手形割引取引の場合は、様々な法規法令で、「手形を発行した大元が倒産したり債務不履行になった場合は、手形割引を持ちかけた本来の手形の発行先がその債務を負わなくてはならない」と定められています。

つまり、端的に言ってしまうと、

「A社さんから約束手形を発行してもらったけどなんか倒産しそうで危ないから、早めに手形割引で現金化してしまおう」

ということが一切できないというわけです。


それどころか、手形割引で現金化したは良いものの実際にその手形にきちんと入金されるかどうか、期日まで絶えずハラハラドキドキしていなければならないというシステムでした。

その他にも様々な形で詐欺などの犯罪に使われたりと、手形割引はなかなか難易度が高いものでした。

ある程度ビジネス上の経験値がないと、この約束手形をうまく使いこなすことはできないという説もあるほどです。

特に、今までずっと現金商売でやってきたのにも関わらず約束手形に中途半端に手を出してしまった新米社長さんが、手形のトラブルで会社を畳まざるを得なくなったというような話は枚挙にいとまがありません。

このように何かとトラブルが多いのが手形割引です。




債権そのものを譲渡するからトラブル自体がゼロ!ファクタリングの魅力

対するファクタリングはどうでしょう。3社間ファクタリングという世界的にも一番認知されている方法の場合、ファクタリングの流れはいたってシンプルです。


・売掛債権が発生
・売掛債権を持っている会社がファクタリング会社にファクタリングを依頼
・売掛先企業に「ファクタリングをするので今後の入金はこちらの会社さんにお願いします」と依頼
・売掛先企業が了承する
・ファクタリング会社から手数料を差し引いた売掛債権額が依頼者に入金される

たったこれだけです。

また、このファクタリング取引については、その後一切の後腐れはありません。

つまり、手形割引の部分で問題となっていたデフォルトリスクも、日本国内のファクタリング業者はほとんどノンリコース契約といって「売掛先企業が期日到来前に倒産した場合でもファクタリング依頼者にその責任を負わせることはない」という契約が事前に締結されますので安心です。




今回のまとめ

今まで使ってきた手形割引とファクタリングはどう違う?手形とファクタリングの違いについて解説

いわゆるデフォルトリスクによって売掛の現金化後も決して安心できない手形割引という取引に対し、ノンリコース契約のために契約履行後のリスクは一切負わなくて良いとされるファクタリング契約は明らかに手続きもシンプルで、その後のリスクもありませんので安心して使うことができます。